
設・機関に拘置されている女性、若い女の子たち、障害を持った女性、高齢の女性、故郷を離れた女性、強制送還された女性、貧困な生活を送っている女性、そして、外国の占領下あるいは戦いの行われている侵略行為の対象やテロの対象となっている女性たち」を特に被害を受けやすい女性として位置づけ、その中でも特に、女性で移民をして労働に従事する人々の保護がうたわれました。 第58パラグラフの中に、「政府が、移民、移住者の人権を完全に保障しなければならない。とりわけ女性労働者たちが、暴力、搾取の対象とならないように政府は最善を尽くすべきである。そのためには女性労働者、移民労働者、正規の労働者に対するエンパワーメント、プログラムを実施し、そして人々にスキルを与え、教育を与え、その資格を十分に評価し、労働市場に統合しなければならない。」と書いてあります。 また、それぞれが母国で獲得してきた資格、学歴が移民先でも十分に評価されることが大事であるということが新しくここで折り込まれました。 さて、第4回女性会議、それはどんな点で画期的であったのか、ここで振り返ってみたいと思います。過去の女性会議とどこが違ったのでしょうか。 まず、規模が違います。いろいろな数字の報告はマスコミ等で伝えられていますが、とにかく大変大きな会議で、多くの出席者がありました。過去、世界最大の国連会議であると言ってもよいと思います。4万5000人〜5万人の人々が出席したと言われています。特に北京郊外の懐柔県で開催されたNGOフォーラムには、大変な数の参加者がありました。そしてこの北京会議のユニークな点はその討議内容にあったと思います。ユニークなテーマについて熱のこもった討議がされました。 私は準備会議そして、最終文書の準備をした作業委員会の委員長として、いったいどのような点がもっとも議論になったか感想を求められるわけですが、そこで3つのRを取り上げることにしています。Rights(権利)のR、それからResource(資源)のR,Reproductive(リプロダクティブ)の3つのRです。 第1のRは権利ですが、これについては人権から始まって、ずいぶんと討議が行われました。たとえば普遍的な人権について考えますと、普遍的(ユニバーサル)とはどういう意味がということについても議論しました。政治的な問題、NGOの役割、市民社会の役割、権利についてずいぶん議論がなされました。 第2のRはリソース(資源)ですが、ここでは従来の南北対立の構図、経済構造の調整の問題、債務の問題などに触れると同時に、行動綱領を立案するためにどれだけの資源、リソースが必要かということについても討議しました。 グループ77は新しい資源がなければ行動綱領が実行できないと主張しました。それに対していわゆる拠出国である欧州連合は、この新たな資源を創出することに関してかなり慎重であり、追加するのではなく、再配分こそが大事であると強調しました。
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